GARAGEツーリング
「神の手」 第三部(第31話)
双葉SAに滑り込むと向こう正面には山々が見える、朝方まで雨だったおかげか、景色も美しい。
大きな駐輪場にドォーッとなだれ込み、メンバー達と挨拶を交わし、約一時間程のお昼休み。
<左上画像のメタリックな緑の塊=UCG愛用のメット、決してボーリング玉では無い、通称UCGボール>
<右上画像 セクシーショット>
<自己紹介・快晴ムード満点>
<画像では確認しにくいが、遠くに山々が連なっている>
<双葉SAにて合流の三機編隊=XS650E・GX250SP改&SR400SPという無敵のトリオ>
山岳ステージを昼頃に迎えると多い人数の場合、大抵は昼飯に困るので、今回は早昼でご飯を済ましてもらう段取りを組んだのだが、この策はかなり有効だった。
巨大な駐車場の一角にはBMWバイク軍団が集まっている。百台くらいは集まっていただろうか?
<強敵 BMW軍団>
内心、「誰だって金がありゃBMW買えるんだ!70年代〜80年代のマシンは資金だけじゃ維持出来ない情熱が必要なんだ!!」とかなり無理に言い聞かせつつ、ここは気分的に零円自作主義初志貫徹ムードで乗り切る。
結局のところ、自分にはBMWなんて買えないんだって現実を知ると寂しくなるので、そういったことは今ここで書いてるくせに、一切考えないのが鉄則。誇り高きXS乗りには一切無用なのである。
出発数分前に、地図を用意してもらい、コース概要を説明。個々のバイクの仕様がそれぞれに違う事も考慮し、フリーランを重視しつつ出発。
下りる予定の韮崎ICまでのわずかな距離をプァア〜っと2STサウンドを響かせながらRZRが快走していくのを横目に我がXSも怒涛の如く発進。高回転の弾けまくった2ST-RZRにトルク塊のXS&GX、さらにはXJRやらカワサキZX-12Rやら、いよいよ異種格闘技戦の火蓋が切って落とされた。
韮崎ICではオフィシャル?な公団の料金所のシステムがいかれちまって、数分間の足止め、振り返るとバイクがズラァっと並び、さらには車の列、既に渋滞していた。
公団のオヤジ共はシステム異常に専念しちまって我々は放ったらかし。もう一つゲート開けて交通整理しろよなぁ・・・
役人達よ、頭が固すぎるぞ!時と場合に応じて対処する力を身に付けよ!
車から見たら、「バイクはいっつも料金所通るの遅ぇんだよぉ」って思われそうなのが悔しいところ。
韮崎ICを下りてから都内からの走行距離とこの先の山岳コースの距離を考慮しつつガソリンスタンドにて給油する。
<誇らしげに日曜営業中と書いてあるのがポイント>
韮崎から昇仙峡までの道のりは空いてて快適な道が続く。日陰のコーナーには落ち葉カスが溜まり、ジメっと濡れている。少し気を緩めるとタイヤがズリッと滑る感触が伝わる中、ペースダウンしながらゆっくり走る。
あたりの景色に目をやると、少し終わりかけの紅葉が出迎えてくれていた。
かなりペースが掴めない状況に少し苛立ちつつも、焦りは禁物。きっと朝っぱらの石川PAで遭遇した婆さんの陰謀に違いない。
思いのほか、あっけなく昇仙峡に到着すると、そこは観光客で賑わっていた。
まだ都内までの折り返し地点なので、ゆっくりしている時間は無いと言いたいところだが、ここでは約一時間ほどの休憩。
数人でぶらっと滝を見に散策に出掛けた。とにかく歩き出すと暑い。一気に汗が噴出してくる。
遊歩道を降りて行き広がる光景には心和ませるものがあった。まさに和の極み。
<お土産屋さん>
<『仙娥滝(せんがたき)』の風景>
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この辺りは石の産地なのだか?なんだか良く知らないのだが、お土産屋さんでは石の加工物がいろいろ置いてある。
次世代マシン用のマーブル大八車ホイールがさりげなく置いてあったのもポイントが高い。
我々の好みをお土産屋さんは良く知っているのだ。
<マーブル大八車>
スポークの本数を無限大に増やしていくと行き着く形はこの形状なのだ。
七本スポークで満足してはいけない、次世代は∞スポークなのである。
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さらにはエビスさんもおられた。
良く見るとどっちがエビスさんなのか?
区別が付かないのも注目すべき点。
<3214エビス どちらが本物かは不明>
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<神の手>
ショーウインドーには阿修羅像?
(千手観音等、手がいっぱいある方系?詳しくは不明。)がこちらを見据えている。
ああ、いいなぁ、きっとこれだけ手があれば、整備が楽じゃないか!
一対の手でホイールを持ちつつ、もう一対でアクスルシャフトを挿入、さらに残りの一対の手でレンチを回す。
きっと最強のメカニックになれるだろうなぁ・・・でも一度に六本もの手を操作するのは難しいはず。
「おいおい、ホイール入れる前に先にアクスルシャフト入れちゃダメだって!」って誰に言うのだ?
自分で自分に言い聞かせるのだろうか?とにかく複数ある手を効率よく動かすメカニズムを知りたい。(=蟻さん)
きっとF1のタイヤ交換も一本のタイヤを一人で、しかも数秒で交換できると思うと、彼らがいかに優秀かわかるはずだ。だからと言って、フェラーリがタイヤ交換をする際、タイヤ交換に携わるメカニックが阿修羅や千手観音ら、四人でやってるという光景も想像すると恐ろしい。ピットでシューマッハを取り囲む阿修羅たち・・・
そんなあまりにも高等な妄想を抱きつつ、手が二本しかない現実に直視すると悲しい。
だが諦めてはならない、きっといつの日か進化して、手がさらに増えてくるはずなのだ。
ニヤニヤとそんな空想に耽りながら、年を召した旧オネェさんで賑わう小さな観光ポイントを後にバイクの場所へ戻る。
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