GARAGEツーリング
「ダブルコンボで撃沈」 第二部(第30話)

今回の主なコースは、中央道・韮崎ICより昇仙峡ラインを通り、昇仙峡から甲府市内を経由し国道411号線でそのまま柳沢峠〜奥多摩ダム駐車場(=03年3月30日奥多摩ミーティングを開催した聖地)にて解散というルート。

開催予定日の一週間前から毎日、気がつけば週間天気予報と睨めっこする始末で、徐々に降水確率が高まっていく中、気分的には「あぁ〜あ、延期だな」臭がプンプンと漂っていたのだが、前日になり一気に晴れマークが輝きだした

しかも降水確率は10%で、最高気温もこの日だけ23度という予報で、天気までもが気合一発を見せてくれた。やっぱりここ一発、気合入れて念じれば天気さえも変えられるのだ。

寝床であれやこれや考えてるうちに、深く眠れないまま、いよいよ開催当日。
年明けに宇賀氏らとウナギツーリングに行って以来、今年二回目にして、おそらく最後のツーリングである。
朝六時過ぎに起床し、空を眺めつつ、支度を済まし、7時に自宅の前でCRM250−ザクライ氏と待ち合わせ。

思えば学生時代より付き合いのあるザクライ氏とのツーリング、何年ぶりになるだろう?
XS日記「我が永遠の聖地・佐渡島」編で記されているDT50乗りとは、そう、ザクライ氏だったのだ。

かれこれ五〜六年ぶりかもしれない。あの当時、自分はCD50でザクライ氏はDT50という編成は、実は時を経て今尚、何も変わらない。ザクライ氏=オフ車、おいら=XS250Splというチョイスなのだが、あれ?完全においらオヤジバイク(=ビジネスバイク)路線まっしぐら・・・

中央道へ向かう下道の途中でそんな事に気づいてしまった・・・三つ子の魂百までも、これは正しい。

高速に乗ると八王子までは、いつも感じる単調な路線。いつ通っても横風が強いように感じて、気が滅入る地帯。

前日までの天気がいたずらしてか、交通量はかなり少なめな渋滞知らずで、石川PAに寄り道。

どこに止めようかなぁ・・・っと辺りを見回していると、RZ−Rを発見、おおお??っと気づけばRZ-R・隆さんがキャブレターのリセッティングを既に開始中だった。アツイ!!道中で何度かリセッティングをされていたので激写。

 

<双葉SAにて>

PAを見渡すと当たり前のようにバイクツーリング軍団がたくさんいる・・・でも一昔に比べると本当に中型排気量のバイクを目にしなくなった。
朝っぱらのPAで見かけるバイクと言えば、ハーレーオヤジ軍団かビッグバイク軍団がほとんど。

アクセルを思いっきり開ける楽しみをすっ飛ばして、モアパワー路線に行っちまったんだよ、みんな・・・

もともと不人気車は目にしないのは当然としても、ちょっと前のスタンダードなモデルさえも、見かけない気がする。

ここでSRX6-宇賀礼二氏と合流。

並んでバイクが止まっている場所の傍らで腰掛けてお茶を飲んでいると、あっと思う間もなく威勢の良い婆さんが近づきつつ喚き出した。

「バイクは自由」「大統領より自由」「フリーウェイに乗ってる」などと相手に隙を与えないままに喚き散らすその姿に我々はただ呆然、いや完全に圧倒された。内心思ったよ、すげーよ、こいつぁ、まるで違う!!

あまりにも圧倒されすぎてデジカメで撮影する暇さえなかった、そう話せばどれだけの状況だったか理解も容易だろう。

スクーターのフリーウェイに乗っているのか、中央フリーウェイに今現在乗っているのか、はたまたそんな深い意味がギャグとして込められていたのかは永遠に謎である。

その事を聞き忘れたのが心残りだった。忘れたんじゃない!話すタイミングが全く無かったと言っておこう、あまりにも強烈だった。この波乱が午前中いっぱい尾を引くなんて一体誰が思っただろうか?

そんな中で、いつの間にやら買って来たソーセージをのん気に頬張る宇賀氏には、目を見張った、やっぱり年季が違った。あのソーセージはヤバイ・・・変な連想させないでくれぇ・・・

ソーセージ&ババァのダブルコンボで笑いすぎて腹が痛くなりながらプレ集合地の談合坂SAに向けて出発。

 

もうかなり昔から思う事なのだが、高速道路を長く走るのは本当に気が滅入る。あれやこれや考えながら小仏トンネルに向けて長い上り坂を淡々と登る。

トンネルを抜けるとブァア〜っと霧が立ち込めていて驚くと同時に、一気に気温も下がった。

まだ少し濡れた路面をもろともせず、快調に相模湖近辺を走り抜けると、おおおお二本出しマフラーのバイクが見えるじゃないか
「同士だぁ!!!」

軽く手を振りながら、我々は三機編隊(XS・SRX・CRM)で談合坂を目指す。

GXかXSである事は間違いなかった。経験的に、いや本能的にわかる。SAでわかったのですが、今回初参加のノブさんでした。やっぱりXS&GXが走る姿最高ですよ。

自分で自分の姿はなかなか見えないものだけど人の乗る姿を見るとそれが良く分かる。まさにジャパニズムの極み。
伝統工芸品的な趣がそこにはある。きっと通り沿いのショーウインドーに映る自分の姿を見て一体、どれだけの人が満足しているのだろうか?それは決して触れてはならない事であり、あまりにも愚問である。

談合坂SAに到着する直前から、上り坂が続く、我がXS号は残念ながら以前よりもかなりパワーダウンしているように感じた。そう感じながらも、気にしないように接してやるのが精一杯の愛情だったんだ。

以前この辺りの上り坂を走る時は、ちょっとパワー上げようかな?と思うとスロットルをさらに開ける余裕があったのだが、今回は明らかに違った。スロットルが既に全開の状態に達していて、それ以上開ける余地が無いのである。

「お前、そんなに疲れちまったのか?」とも問いただせなかった。明らかに今までのパワー感と違うなぁ・・・と思いながらもひたすら全開で長い上り坂を攻略していくと、あっちゅー間に談合坂SAに到着。

スローダウンしながら近づくと、SAに入った手前付近に、ナイスなメンバー達が揃っているじゃないの!

 


 
 

<XS二台のツーショット>

あれ?「3214が来てないなぁ、さては寝坊だな?」と話しているうちに、やっぱり登場しました。
3214殿がトイレで大きな用事をしている間に、ワァーっとみんなで出発。

後に「トイレを出たら誰もいなかったのでビックリした。」とは3214談。
正式な集合場所はこの先の双葉SAだったんで、何も気にしてませんでした。3214殿ごめんなさい。

今日は行程的に、一箇所にのんびりしている暇は無いのである。

談合坂より先は、さらに長い上りが笹子トンネルまで続く。ここの上りは今までならば楽に「ぬうわキロ」くらいで走っていけた場所なのに、今回は「ぬふあ〜ぬああキロ」が精一杯の状況。

あああ全然前に進まないよぉ・・・でも細かな事は気にしない。もしダメならまた直せば良いんだ。
とにかく、愛車について、あれやこれや思うことはもう止めた。何故かって?ツーリング中じゃ直せないもんね・・・
それよりも、早くオレはこのXSの躍動するビートで踊りたいんだ!!走り続けたいんだ!!

長い笹子トンネルを抜けると、小仏トンネルを抜けた時以上にひんやりとしていた。勝沼のぶどう畑を横目に見ながら、一気に甲府盆地へとダウンヒルが続く。いつもこの地帯を通る度に、ぶどうが食べたくなる。
スーパーで稀に食べたくなって買おうとすると、予想以上の値段に驚いて、結局買うことはマズ無い。

緩いカーブを殿様乗りで爆進しながら、盆地区間に滑り込むと、長い直線が続く。
いつもこの区間を仲間達で通る時は最高速アタックになるのだが、今までのベストレコードにはやはり及ばない。
ほぼ定刻通りの10時・いつしか上り坂が始まる頃、双葉SAに到着。

さぁこれからいよいよ正式に開幕だ。

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