破壊に次ぐ破壊 第二話 1997年3月の話


黒焦げになってしまった可愛そうなXS。
後でホームページ作るならその時の写真撮っておけば良かったかな?なーんて当時は考える由もなし。

ただ、ただ眺めてるだけで、何をどう進めていけばいいのか?途方にくれていた。

ようやく、作業する気になり、まずはやっぱり観察するところから始めよう。
黒焦げたパーツを外し、キャブレターを外し、開けてみると外側は黒焦げだったけど、 意外にも中身は大丈夫だった。

だが真鍮製のフロートだけは未だに許せない部品だ!こんなものに穴があくとは・・・
しかし見てみると簡単な作りだった、二枚合わせにしてハンダ付けされただけのもの。 「なんだー簡単に直せるじゃん!」しかし、ハンダで空間を密閉するのは予想外に難しかった! 中の空気が熱膨張しすぐに、のせたハンダに吹き抜けが生じてまた、穴があくのだ。2つともフロートに穴があいているから、さらに厄介だ!

そしてまた問題が発生したのだ。一つ目はうまくハンダがのって修理できた、が問題は2つめだった!
修理して何度ガソリンに浸しても、穴は塞がらず、むしろ中にたまっていくばかり。

俺はもう限界に達していた!いや、既に破壊の神に取りつかれていた。 ガソリンを排出するためにピンホールにライターの火を近づけてみると、 シューという音と共にガソリンが燃えながら無くなっていった。
もう少しでガソリン無くなると言うとき「パッコーン」甲高い音と共に彼は昇天し、天に召された。

なんと、フロートが真っ二つに破裂したのだ!これには唖然、無知とは本当に恐ろしいものです。 仕方ないので破壊されたフロートは、新品交換となった。確か4千円くらいした。実に高い!

逆を言えば自分は、4千円払って、フロートを破壊したのだ!まあ、そんなこたーどうでもいいのよ!
もうキャブレターはバッチリなのだから!でもまだ火は入らない、何故なら黒焦げになった配線の おびただしい量に、恐れをなしていたからだ!

二度あることは三度ある!?
まだまだ先は長い、どんな乗り心地でどんな音がするのかも、 それ以前に本当に直るのかもわからないまま、怒涛の如く作業は進んでいくのだった。


破壊に次ぐ破壊 第二話完