XS250Specialとの壮絶な出会い!第一話

1997年1月頃の話

当時、原付免許しかなかった私には、それは、今思えば壮絶なレストア作業だった。
1997年の1月にその頃のバイト先のS氏から、「XSって言うニーハン(250cc) の不動車があるんだけど、直して乗るならやるよ!」と言われて、何も考えずにもらって きてしまったのが、過ちだったのだのだ。

おそらくもらう事が無ければ、一生XSという名前は知らずにいたであろう。

引き上げた頃は、皆にインチキアメリカンと言われ、ダサい!カッコ悪い!(YAMAHAさんごめんなさい。) と散々仲間に言われた挙句に、「そんなボロバイクもらってどうするの?直るわけ無いジャン」と後輩のM君に言われたが、もらってきた以上は直すしかなかった。

そのM君も今じゃGX乗りだって言うのに!

それに、自転車の修理は、レーサーから、MTBまで何でもコイ だったから、「まあ同じ二輪車だしなんとかするかー!」ってのが正直な気持ちだったのだ。


レストアするにあたって!

ちゃんとしたレストア作業は第2話から・・・

とりあえず、廃車されてから10年近く経っていたから、きれいに拭き掃除をして、細部を観 察する事から始めた。

もちろん、バッテリーは上がりっぱなしだったので、最初の買出しはバッテリーとオイルを 買う事だった!でも免許も無けりゃ、譲り受けたXSもオンボロ、普段の足のCD50は焼き付くし、 なけなしの状態で高価なバッテリーを買ったのだ。
電気系統はウインカーリレー故障以外はすべてよし!問題はキャブだったのだ!

オイルを交換して、キャブの穴という穴を開通させ、中も外もきれいにし組み上げた後、大惨事が起きたのだ!

なんと、真鍮製フロートに穴があいていたのに気づかず、車体に組み付けセルを回さずキッ クオン、「ボッ!」と言う音と共に股の下から炎が上がった!

こともあろうか、オーバーフローに気付かなかったのだ!情けない!!

度肝を抜かれとりあえず火を消そうと、車体を降り、「フウーハー、フウッー」 と息をかけてもまるで効果なし(当たり前?)
Gジャンを脱ぎ、バタバタすればするほど火は広がるばかり、気が動転したまま「燃えた!」と 叫びながら、そばのプレハブ小屋に猛ダッシュ、バケツを手に、水を汲み入れたつもりがほと んど入っていないまま、気にもせずにバイクに戻りバケツを投げると、何故かバケツに入っていた モンキー用のシリンダーが勢い良くXSのタンクに飛んでった!

「ゴン!」とぶつかり、 タンクはベッコリ!天高く炎が燃え盛る中、冷静な仲間が濡れた毛布をバイクにかぶせて、 消火してくれたのだった。

不思議な事に燃えている最中はシリンダーが飛んでいったのに全く気づかなかったのである。
あとで、精神状態が落ち着いてから、燃えたときソーッとバイク寝かしたのに、 何でタンクが凹んでんだろう?と気づいて、下を見るとシリンダーが落ちていたのであった!

バイクを燃やし、その上、自分で焼きつかせたシリンダーでタンクを凹ませ、 もうレストアじゃなく破壊工作になっていた!

気づけば1997年1月末から始めたレストア改め破壊工作も3月半ば、もうすぐ桜が咲こうかという時期だった。

XS250specialとの壮絶な出会い 第一話完