「サヨナラ、XS!」第八話 1997年12月クリスマス そして楽しい楽しいクリスマスイブには焼肉屋へ行って、帰りに当時ハマッいたスロット (タコスロ)をやって(今はギャンブルは一切しません)プラス二万円、もう最高のクリスマスイブだった。 翌朝目を覚ましバイクを見るとそこにXSは無かった! とりあえず家の近所のバイク屋に聞きに行ってから、近所の住人にも話を聞いてみたが情報は無し! すぐに警察に行き盗難届を出した。 普段歩かない道を三日間探し回った、どう考えても不人気車だし、価値もそんなに無い。(この当時は今ほど見向きもされなかった) おそらくガキの至らぬ犯行だと思ったからこそ、絶対見つかると信じて徹夜で歩きに歩いた。 最後にはカバーの掛かっているバイクも触るだけでこれは違うと判別できるようになったほどだ! 事態は突然に変わるものである、盗難後三日目にもう諦めかけて気分転換に映画でも見ようとTSUTAYAにビデオを借りに行った。 「あ、あった」妙に冷静に近寄り、まずはエンジンを触るが冷たい、メーターを見ると距離も一キロくらいしか増えていないし、部品も盗まれていない。 すぐに警察を呼び発見の報告をし、家まで押して帰った。もう涙が出るほど嬉しかった、いや実際には涙が出たよ! 「あー良かった!」これで年が越せる。 俺は信じていたよ、盗まれた三日間、絶対に見つかると信じていた、それは願い?祈り?信念? すぐにワイヤーロックやらU字ロック、カバーを買ってきて盗難対策を施した。 キーシリンダーは駄目元で何度も鍵を抜いたり入れたりで取り合えず元に戻った。 その後音にはずいぶん敏感になり、夜中には少しでも物音がすると目を覚ますようになった。 年明け数日後、夜中に聞きなれぬウルサイ原付の音が、外を見るとノーヘル二人乗りのクソガキが カバーを外していた。やはりまた戻ってきたようだ。 巨大なマグライトを護身用に手に持ち急いで外に出て、そっと近づいていったが、気付かれたのか逃げられた。だが数日後また同じ原付の音がした。ベランダから下を見ると同じ連中だった。 工具をガサガサ取り出して何かをはじめる様子なので、これはヤバイと思い「おいお前ら!何度も同じことするんじゃねーよ、もうこっちじゃ何やってるかわかってるんだコラァー」と言うと「すいません」と抜かして逃げていった!それ以来一応いたずらや盗難には遭ってはいないが、未だに音には敏感だ。 本当に盗難には気をつけないと・・・
「サヨナラ、XS!」第八話完
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