スイングアームピボット着脱探求(03年05月版)
今回の特集:ピボットシャフトをぶっ叩く

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主に零円自作主義ではXS&GXに関する情報を常に特集しているのだが、果たしてどれくらいの方が近年のバイクの目に見えない部分に注目してきたであろう?

何故いきなりこのような話しになったかというとそれはXS&GXのノーマルスイングアームピボット部の設計に注目していただきたいのだ。おそらく、車体を手に入れてからスイングアームを自分の手で外した事のある方は全体の数%くらいであろう。

というわけで実際に時間のある時にスイングアームをフレームから外していただければという一つの提案である。リアサスの動きも当然重要なのであるが、同時に連動して動くピボット部も同じように重要な部分なのである。

ホイールを着脱した後に、まずピボットシャフトのボルトを緩めてシャフトを外す動作を試みてシャフトがスーッと抜けなければヤバイ。 固着している可能性大。となると初めて着脱する方にとってはその内部構造がどのようになっているかも想像が付かず作業が中断する事になってしまう・・・

実際に以前、スズキ=バンディット250のスイングアームシャフトが油分切れで噛り付いた挙句に錆で固着してどうしても外せなくなりスイングアームを切断してフレームから外したことがあったのだが、目を反らしていると気づかないうちに最悪の結果を迎えることさえある。そこで非常に抜けにくいフレームからスイングアームを着脱する作業をクローズアップしてみる。

左フレームはこれから様々な構想を盛り込もうと考えている現在フレーム単体のXS250フレーム。金色の旗艦、soulucg号とはまた別のXSフレームです。

ピボット部を見ると何やら嫌な状況がプンプン漂ってくる。

ナットを緩めた状態から作業は始まる。

 

 

 

 

緩めたまま外さないのは何故か?それは右画像を見れば解る。ほんの数mmでも叩きながら動いてくれたら着脱への道が開かれるからである。なので遠慮せずに思いっきり引っぱたく!

外すことが最大の目的なので、シャフトに傷が付くなんて考えて躊躇してはいけない。スイングアームを切ることを考えればシャフトの傷なんてビビたるものではないか。

事前に556やラスペネをシューッと吹いておけば準備万端。

 

 

 

 

パワープレーになると決まって出番が来る一軍工具のはつりハンマーと脇役の引っぱたき専用ロングシャフト(単なる転がっている長いネジ)、こんなアイテムが零円自作主義的工具にはたくさんある。これはほんの序の口。

いろいろな作業を快適に進めるならばハンマーは最低でも3本は用意したい。いわゆる普通のトンカチ=げんのう、さらに左に写っているはつりハンマー、それとプラスチッククハンマー(プラハン)があればばっちり。

特にエンジン内部をいじるならプラハンは必須アイテム。

 

 

 

実際に打ち抜き作業開始。写真撮影と作業を一人二役でこなしている為何故かハンマーを左手に持つsoulucg、本来は右利き。

大きくスイングさせて一気にロングシャフトを直撃。フルパワーで数回殴るとようやくシャフトの固着が外れてきた。

シャフトは見ればおぞましい赤茶色。

 

 

 

 

外れたスイングアームのダストシールを外した状態、察するに販売時から一度も外されたことはなかったに違いない。

XS&GX250/400並びにXS650シリーズも共通なのが、このピボット部に装着されているベークライトブッシュ。こんな構造なんですよ!!

同年代からの生き残りのSRシリーズでさえもここにはニードルベアリングが入っているっていうのに、なんで作りこみに手を抜くのだ!

この部分がスムーズに動いてこそ発揮されるリアサスペンションも、こんな状態では真価を発揮できないでしょう。実は他車などで、サスはオーリンズフルアジャスタブル入れてばっちり決めてるのにリンクが固着してたりするのは良くある例。(恥ずかしいーーー)

 

次にピボットシャフトの受け側カラーの着脱作業。実はシャフトを抜くよりもさらに手ごわい状態になってる物も見かけます。

本来ならば指で押せば取り外せる程度の物なのですが、固着してしまった場合どうやって外せばよいか?

そういう状況に遭遇した時ほど零円自作主義を貫徹させねばならない。先ほどのロングシャフトのボルトを嵌めて見れば、おおばっちり!専用の引き抜き工具に早代わり。そのまま叩きやすい状態に移行しつつ、またガンガンぶっ叩く。

うぉーっち、ようやく抜けたじゃぁないの!結局錆びたシャフト類は外れたけども錆だらけ、気分的には再使用したくないので、こういった者達はまたカラーやブッタタキ君として新たな余生を過ごしてもらうのが一番。でも新品のシャフト、在庫あったとしても高そう・・・でもやっぱりスイングアームが無加工で外せたことに満足するのが正しいのである。

組み付けるときは必ずグリスてんこ盛りで組み付けるべし、溢れ出すほどタップリと!(使用するグリスは高負荷に耐える種類を選ぶこと、モリブテン系など=黒いグリス)

今回の作業については、先日NYAROMEさんよりスイングアームピボット部のシャフトが抜けないという情報を、その状況画像と一緒にメールでいただき、丁度、私がこれから行おうとしていた作業と重なっていた為、撮影し作業時の様子を公開してみました。

無事に外れることを祈りつつ、XS作業、今回はこれにて一件落着!

(くれぐれも作業は慎重に行ってください。ここに書かれている事が全て正しいことではありません。
また作業は個々の責任でお願いします。)

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